・クラガルやトロイ、ほか、他作品に出てくるゲストキャラ。その中で、何かを願う際に「我等弱者に導きを」と言うキャラ達が出てくる。後に「我等弱者に導きを。そして強者を滅ぼしたまえ」と宣言する“敗北主義者”が現れる。Loser of Jealousy(妬みの敗北者)『Lojy』という思想集団であり、その中でも「強者は敵」とする過激派がいるテロ組織を内包する集団。極論を言えば、「我等弱者に導きを」=「自分より幸せな者は、皆死ね」団。
・「現実から脱出する方法」を考える団
・ブリジスト=L・フォール
元は赤さんの描いたショタ。
名前の元ネタは「ロンドン橋落ちた」。
赤褐色の髪と、浅黒い肌。青い目を持つ。
基本的には悪意のない少年。善意的にも見え、非常に前向き。
はきはきと物を言い、およそ「悪」とは結びつかないある意味「無邪気」な印象。
ただしそれは、「悪」を知らないだけである。
元々は世界の向こうから来た少年。
向こう側の世界は、超コンピュータ『ピエロッテ・マザーグース』に完全に管理された社会。そしてブリジストも、そこで幸せに過ごしていただけの少年。
なので、こちら側の世界の人間に対して、リアリティがない。
彼は「現実からの脱出」を掲げて、人々を煽動する。
彼が助けた者達は、「現実からの逃避」として麻薬を常習するようになる。
それは「向こう側」からの補給物資でもある。
ロボも同様に援助されている。一般兵は麻薬に溺れ社会復帰が不可能にまでなった者達である。
彼自身もマザーグースによって送り込まれた「クックロビン」に乗り込み戦う。
向こう側の世界は、幸せが均一化された世界。全ての人に、平等に、同じ幸せが与えられ、一生が終わる。
「我等弱者に導きを」
ブリジストは『Lojy』を取り込み――『Lojy』もブリジストに依存し、巨大に、そしていびつに成長していった。
たった一人の、「帰還者」を作るため。
自分たちが「現実」から逃避し、「向こう側」へ至るため。
その願いは、現実の全てを犠牲にして。
余談として。
『向こう側』という側面で、尾津愛とは相性が良い。
マナは比較的治安の安定した場所で活動しており、ブリジストは治安の安定していない地域で勢力を拡大している。
二人に接点はないが、最終的にはどちらかがどちらかの計画を『喰う』可能性が非常に高い。
・ラスボスとして
世界に穴をあけたブリジストは自分の世界への帰還を行おうとする。
それは、この世界に「自分は必要ない」と認めさせ、弾き出させることである。
しかし、間違っているとはいえ多くの『Lojy』を導いた実績は、彼をこの世界に縛る。
ブリジスト自身も、この世界で多くの幸いや悲しみを得て、それでも「帰らなければならない」と結論していた。
そして、残った『Lojy』も一緒に「連れて行く」ため、この世界に自分は「異物」であると認識させるため。
開いた穴から『システム・オブ・グースバンプス』を召喚。世界各国の「歴史的建造物」を破壊すると宣言。
それを止ようとする自軍と戦闘になる。
流れとして。
いくつか「歴史」が破壊された後に、童謡が聞こえてくる。
「物」を壊しても、「文化」は壊せないと。
その意思表示を行う。
人を殺さず、物を破壊して、世界に、人類の「歴史」に否定されて、この世界から弾き出されようとした目論見は、より強固な「歴史のターニングポイント」として認識され、もはやブリジスト自身が「この世界の歴史に必要な人物」となってしまった。
故に。
ブリジストを媒介に、二つの世界は「一つの世界」となり、『ピエロッテ・マザーグース』が姿を現した。
この世界も、「平等な幸せ」の世界にしようとする『ピエロッテ・マザーグース』に、自軍は衝突。
そして撃破する。
すべてが終わった後、ブリジストは二つの世界の門を閉じる。
「世界は一つに繋がりました。ですが、それはまだ早すぎたようです。自分はその喜びを知ってます。だから――向こう側の世界で、自分の世界で、『ピエロッテ・マザーグース』を再建させます。今度こそ、すべての――すべての人が、幸せを得られるように」
『Lojy』の残った人々も、彼と共に往く。
またいつか。二つの世界が幸せを分かち合えるように。