えー、と。ちょっと話があったので、解説。
 というか、偽ラジに掲載する予定のものを先出でこちらに上げてるだけなので、まとまりがなくて申し訳ない。

 んで。
 元は、「サキュはNothingOneなのですか。淫魔なのですか」「NothingOneの目的はなんですか」だったと思うのですが、改めてこちらで。

 というか、前回の回答だと、語弊があるかもなー、というところがあったので。

 まず、サキュから言えば「N-Oであり、淫魔です」というような回答をしたと思うのですが、これ、他のN-O化した人間とは違うのですね。
 他のN-O化した人間は、「その世界で人間だったものが、N-O化した」もので、サキュやノイ、ジャックなどは「元はその世界におらず、NothingOneが作り出した」です。

 言葉の定義をちゃんとやってこなかったのが悪いのですが、「NothingOneの申し子」が後者です。
 サキュに関しては、かつての世界でジャックとかかわってサキュとして生まれましたが、以降、世界が消えて、生まれても、またジャックとかかわり続けています。
 淫魔としての属性は、その際のどこかで定着したものです。

 この世界に関する「淫魔」であったり「怪異」というものの位置づけは、「NothingOneの海」の世界の中で「実在しなかったもの」もおまけで再生している、というものです。

 この辺、世界をマクロでみた場合とミクロで見た場合で違うのですが、
「マクロで見れば、世界全てはNothingOneで作られているので、すべてN-O」
「ミクロで見れば、サキュは人間ではなく、淫魔として認められているので淫魔」
 ということになります。

 ……余計ややこしくなったか。まぁいいか。
 とにかく、「核となった人間がいるわけではない」のが、他のN-O化した人間との違いです。

○――
 次。たぶん先にこちらを説明したほうが上のイメージ掴みやすいと思うのですが、あの世界がどんな世界か、という説明です。

1.超未来。全ての生物や物質は願いを叶えられる、何にでもなれる世界となった。
2.全ての願いを叶えたので、「自分」である必要がなくなった。
3.世界全てが平均化し、世界を構成するすべてが同じものになった。
4.それが「何にでもなれるなんでもないもの」NothingOneの起こり。
5.世界を満たすNothingOneの海は、時々うねって、「過去」を再生する。
6.それはNothingOneの海の見る夢のようで、10秒で消えたり百万年続いたりまちまち。
7.再生順も、あちらで現代が再生されていたり、こちらで過去が再生されていたり。
8.その一つ一つが、ジャックたちのいる世界。

 です。
 夢とは言いますが、我々の世界と同じような物理現象で基本再現されるので、中の当人たちにとっては現実そのものですね。

 これが「広義のNothingOne」と言っていたものです。

 次、「狭義のNothingOne」、すなわち、人間のN-O化についてなのですが、これが先の「NothingOneの目的ってなんですか」に当たると思います。

 この世界は、根本的にNothingOneで構成されているので、「願えばかなう」要素を持っています。それが「過去の再生」により、一時的に抑制されているわけです。
 ただ、やっぱり根本はNothingOneなので「1.超未来で、全ての生物や物質は願いを叶えられる、何にでもなれる世界となった。」とあるように、「願いを叶える」のが基本なのです。
 そして、そうなったもののイメージとして現れるのが、時々現れる少女です。
 名前を付ける気はなかったのですが、NothingOneの少女とかAliceとか、つけるならその辺になると思います。

 んで。

 完全にN-O化すると、自分自身の望みが、すべて叶えられてしまいます。
 そうなると、「自分」のやることがなくなり、「何にでもなれるなんでもないもの」NothingOneとなってしまう。という流れです。

 それで幸せになれる場合は、それで終わりですし、ジャックも現れません。

 ジャックが現れるのは、それを良しとしない者の元です。

 これが「NothingOneの目的ってなんですか」の回答かなぁ、と思います。
 まとめると、「特に目的はないけど、しいて言えば願いを叶えること。ただ、やりすぎるのでジャックが居る」。

 夢オチとして、リセットのようなものが起こるのも、NothingOneが整合性をとったからですね。

 ちなみに、付随設定として、こういったN-O化する人が多くなると、当然世界の性質が「NothingOneの海」に近くなります。なので、「NothingOneの海」と同化するのも早まる、ということですね。

○――
 さて、ついでなので、ジャック達について。

 上記のような世界観なので、ジャックは「必要なときに現れる」存在です。誰も見ていないときは、存在していない。でも、あたかも存在していたようにふるまう、そんな存在です。なので、目を離した隙に、日本からアメリカに行っていた(実際には、消えて、また発生した)ということもあり得るわけです。

 ジャックは自覚のあるNothingOneの申し子なので、この世界の事も知っています。
 なので、あまり個人の生き死にには干渉しません。干渉するのは、N-Oかかわりがメインで。あとはまぁ、結構付き合いがいいので、見つけたら付き合ってくれる感じで。

 初期設定としては、「過去に、何らかの機関がNothingOneを研究中、その“門”を開くために犠牲になった少年」でしたが、現在の物語上ではそんな話の欠片も出ていないので必要のない話なのかと思います。

 その世界は終わっても、世界はジャックを覚えていて、他の世界でもジャックを再生し始めます。
 そんななかで、もしかしたら「人工ジャック」を作ろうとした者が居たのかもしれません。
 その犠牲者が、サキュの元となった女性なのかもしれません。

 それでも、その世界ももう消えて、今はサキュは淫魔として、よくジャックにちょっかいを出しています。

 そして、その何度も繰り返すジャックとサキュの関係に、たまたま生まれたのが、今回の世界の「ノイエン」なのかなぁ……と。

○――
 というのが「設定」かなぁ……と。

 これをどう物語に絡めるか……うむむー。
 いや、チャットで鋭い指摘の「で、サキュはどう絡むんですか」とか言われたので。

 ……話書いてると、全然サキュ入り込む余地ないんですよ……。(泣)

 まぁ、上の設定も全部「好きなようにジャック・インザパンドラを書くための、舞台装置」なので、都合が悪くなれば変わります。

 オリスパでのクロスオーバーでは、一応「NothingOneの海」は別の世界で、ジャックたちはそれがほんの少しだけ重なったので存在している、というようなイメージで書いています。

 まぁ、あれです。

 結局は、私は人情話が書ければそれで満足なのですよ。(わらい)
 ……とかで締めくくると、サキュが可愛そうなので、がんばるかー。